新コレクション〈THE WALLPAPER COMPENDIUM〉 -MINDTHEGAP-

「これこそが《MINDTHEGAP》の定義」

《MINDTHEGAP》最新の壁紙コレクション〈THE WALLPAPER COMPENDIUM〉は細かく9つのコレクションで構成され、同ブランドの過去の作品と同様、全113種類のデザインからなります。

「さまざまなテーマとスタイルを織り混ぜたものを打ち出したかったんです。それぞれのコレクションが多種多様なストーリーを紡ぎ出しており、これこそが《MINDTHEGAP》の定義と言えるものになりました。これまでの仕事がある程度成熟したと感じていたので、今回の新作には少しアレンジを加えています。」

そう話すのは、《MINDTHEGAP》の創業者、兼クリエイティブマネージャーのステファン・オルメニサン。この最新コレクションを通して、彼が描く、世界中からインスパイアを受け生み出されるデザインの根源に触れることができるかもしれません。

「伝えたいのは、このデザインを通して訪れたことのない素晴らしい場所を旅できるということ。これは《MINDTHEGAP》の表現の自由、そして旅への強い欲求そのものです。世界中の場所や文化にインスパイアされたコレクションを創り上げていますが、実際にはその場所を訪れたことはありません。もちろん、デザインストーリーやコレクションを制作する前には多くのリサーチを行いますが、最終的には、その場所に対する想像の世界を図形や描写を通して表現しているのです。」

ここからはステファンの語る、壁紙コレクション〈THE WALLPAPER COMPENDIUM〉の9つのストーリー。これらが1つになった時、美しく巨大なパズルが完成します。

〈THE WALLPAPER COMPENDIUM〉

このコレクションは、キューバの黄金時代にインスピレーションを得た物語〈CUBANA〉から始まります。裕福なアメリカ人が、カジノで遊んだりキューバの一族と楽しい時を過ごすためにハバナを訪れる、そんな映画のワンシーンを思い起こしてみてください。当時の雰囲気とライフスタイルを再現しようとしたのが〈CUBANA〉のインスピレーションです。カリブ海に浮かぶ美しい島国。この島の古き良き時代を思い起こさせる、最高に素晴らしいトロピカルスタイルのパターンで構成されています。

LE MANOIR〉には、私たちの故郷であるトランシルヴァニアからも一部影響を受けた、ルネサンス後期のロマンチックなフランス様式のデザインがまとめられています。城や邸宅にある装飾品や王室のモチーフ、トランシルヴァニアの貴族の活気に満ちたライフスタイルを描く女性らしいコレクションです。

CUBANA
自赤茶けた色味の背景にヤシの木が描かれたデザインは、キューバの美しい夕暮れを思わせる。
CAYO LARGO Sunset/WP20488

CUBANA

LE MANOIR
18世紀後半にフランス王家の城や邸宅で使われていた装飾パネルをモチーフとした美しいフレンチスタイルのデザイン。〈DANCING GRACES/WP20460

LE MANOIR

THE GENTLEMAN’S CORNER〉はある意味、私の一部のようなコレクション。人々に自分の体験を伝えたい「旅人の物語」です。私は若い頃からずっと、未知なる世界、そしてその世界を果敢に開拓していく探検家に魅了され続けているのです。

THE ROYAL GARDEN〉は、かつてトランシルヴァニアにあったものへのオマージュです。繊細で女性らしい豊かな庭園や、この地域一帯を取り囲む美しい自然世界への賛辞を表現しました。

IMAGINARIUM〉は、《MINDTHEGAP》がこれまで制作した中で最も素晴らしいコレクションの1つ。神話的で幻想的な生き物と、おとぎ話から切り離されたアンティークな装飾品を組み合わせた物語です。デザイナーたちは、幻想的な生き物、神や天使に関する古代の物語の研究に没頭し、9つの美しい壁紙を創り上げました。

THE GENTLEMAN’S CORNER
旅人が集めたギリシャの陶工芸品が収められた棚をイメージしたデザイン。〈GREEK POTTERY/WP20417

THE GENTLEMAN’S CORNER

THE ROYAL GARDEN
王室の庭園に咲く鮮やかなピオニーの花を描いたデザイン。〈THE IMPERIAL FLORA/WP20480

THE ROYAL GARDEN

IMAGINARIUM
妖精や天使のアンティークなイラストをモチーフにしたデザイン。〈THE PROMISE LAND Sapphire/WP20486

IMAGINARIUM

INDIGO ADDICTION〉 は、有名な染料である植物『藍』からヒントを得た「青の贈り物」です。中国や日本の陶磁器や工芸品から西アフリカの染色布、ヨーロッパのルネサンスの装飾的なモチーフに至るまで、世界のさまざまな場所から青色のパターンとモチーフを探しました。このコレクションは、私たちの日常的な暮らしの中で使用されている大胆な配色への祝意を表現したものです。 お気に入りの色合いからインスピレーションを得たコレクションで、古代アジア風のデザインをいくつか取り入れています。

コレクション全体と比べ、少し対照的なのが〈REVIVAL〉です。バウハウスの時代、そしてジャズ的な幾何学を連想させるミッドセンチュリーのモダンなパターンを組み合わせて再構築しました。《MINDTHEGAP》の通常のスタイルから少し離れ、奔放な物語として生み出されたのです。特に、ペイントされた大きな柄とミューラル(壁画)がレトロな雰囲気を創り上げているコレクションです。

緑豊かなボタニカルデザインの〈TROPICAL WANDERLUST〉。同じく植物をテーマとした、前述の〈LE MANOIR〉と〈THE ROYAL GARDEN〉が新古典主義のロマンチックなインスピレーションを受けているのに対し、こちらは生い茂るヤシの木をベースに細部まで緻密に描かれたデザインです。《MINDTHEGAP》全体で4つ目のトロピカルスタイルを取り入れたコレクションとなり、今回は世界中のエキゾチックな島々、マダガスカルやアマゾン、パプアニューギニアに生息する動植物の要素を取り入れました。人間があまり立ち入らない野性的な場所、熱帯雨林やジャングルを探検できるコレクションになっています。

最後の物語は、大胆でとてもリアルな〈ORIGINS〉。人類の偉大な織物の伝統に敬意を表したコレクションで、私のお気に入りのテーマの1つです。さまざまな部族による手作りのテキスタイルにインスピレーションを得た、本格的なパターンを集めました。マリのボゴラン布、コンゴのクバ布やカメルーンのバミレケ布といったアフリカの模様だけでなく、パキスタンからは幾何学模様が印象的な伝統布アジュラック、南太平洋からはサモアの樹皮布など、世界各地の伝統的な織物のパターンを取り入れています。

INDIGO ADDICTION:日本の伝統的な染色技法「藍染」にインスパイアされたデザイン。〈AIZOME COLLAGE/WP20506

REVIVAL
自然と建物が融合した空想の都会の風景を描いたデザイン。
URBANISM/WP20540

REVIVAL

TROPICAL WANDERLUST
ロール状に並ぶ〈TROPICAL WANDERLUST〉の壁紙。背景のグレーの壁紙。〈MADAGASCAR Grey/WP20519

TROPICAL WANDERLUST

ORIGINS
伝統的なマリのボゴラン布からインスパイアされたデザイン。〈BOGOLANFINI Recoloured/WP20500

ORIGINS
インタビュー記事

細部にまでこだわったデザインクオリティが特徴的なルーマニアの壁紙ブランド《MINDTHEGAP》。 創業者の1人でありクリエイティブマネージャーでもある、ステファン・オルメニサンにインタビューを投げかけると、快く答えてくれました。