
アクティブ・ケアに基づいたコーディネート事例 01
DINING
ダイニング
家族憩いのスペース、ダイニング。食事をしながらコミュニケーションの場ともなる、利用頻度の高い空間です。みんなで一緒に過ごす場所だからこそ、より一層落ち着ける雰囲気をつくりたいですね。
Before


ダイニングの壁面に、柔らかなグリーンの壁紙を取り入れたのですね。照明の色を白い光からオレンジ系の電球色に変えることで、とても温かみのある空間になりました。今回使用している壁紙はフリース素材でとてもマットな質感です。照明環境が変化したこととの相乗効果で光刺激が抑えられ、元の空間よりずいぶんと優しい空間になっていると思います。例えばダイニングでお子さまが宿題をするような場合には、照明を調色調光できるタイプにしておくと使い勝手が良いでしょう。
アクティブ・ケアに基づいたコーディネート事例 02
BEDROOM
寝室
家は帰って寝るだけの場所、という人も多いかもしれませんが、もしそうなら一層気を遣いたいのがベッドルーム。おやすみ前のひとときをリラックスできる環境にすることで、心地よい睡眠へとつながるでしょう。
Before


こちらの寝室では、ベッドヘッドの壁面にナチュラルな木目の壁紙を取り入れています。ブラウン系統の色味は光の色や明るさを和らげ、落ち着いた空間をつくることができるため、寝室やくつろぎたい空間におすすめできるカラーです。新たに取り入れた観葉植物にもストレス軽減の効果があると言われています。就寝前は明るく白い光を避けることが、スムーズな入眠につながります。間接照明などと併用し心地良い照明環境をつくると良いでしょう。また、朝起きたら太陽の光をたっぷり浴びることも睡眠の質を高めるために大切な要素。日中は適度な光が室内でも取り入れられるよう、カーテンやブラインドなどで光の量を調整してみて下さい。
まとめ
人の数だけ存在する最適なインテリアの「色」
「健康に配慮したインテリアコーディネート」と聞くと何だかハードルが高そうに思えるかもしれませんが、決してそんなことはありません。一度しつらえた壁や床を変え、家具を買い替えるとなると相応のコストとエネルギーが必要ですが、今あるソファに光反射を抑える色味の布をかける、真っ白でつやつやとした床にコントラストを抑えた色のラグを敷く、観葉植物を取り入れるなど、可能な範囲で手を加えるだけでより快適な環境をつくることができるのです。
今回ご紹介したリビングや寝室のように、壁の一部分や照明の色を変えることで、空間に存在する刺激を軽減できる可能性があります。今は壁紙にもさまざまなタイプが登場し、より少ない道具で手軽な施工が可能となってきています。「アクティブ・ケア」を紹介してくれた尾田さんは、壁紙の役割や可能性について次のように話しています。
「壁紙は空間の価値を左右するものだと思います。数あるインテリア要素の中でも面積が大きく、一番視界に入りやすいものだからです。空間価値の鍵を握るといっても過言ではありません。日本では白い壁紙がスタンダードなものとして普及してきましたが『健康』という視点から見ると、壁紙の選択にも、人それぞれ必要な答えは変わってくると思うのです」
これまで誰も疑わなかった「白い壁は落ち着く」という日本の常識は今、それぞれの健康に配慮したものへ変わっていこうとしています。あなたの過ごす空間の色を決めるのは、あなた自身です。もし原因の分からない不調を感じているなら、今過ごしている生活環境の「刺激」に意識を向けてみること。生活環境の良し悪しによって起きる不調があるという事実を知ること。これが健康への大きな一歩になるのではないでしょうか。