白い壁が見当たらない?! まさに壁紙御殿の日下部家!
機会を見つけては、原点となった『WALPA store TOKYO』に通う日下部さん。壁紙のチェックもさることながら「壁紙の貼り方教室」で親しくなったスタッフ・米澤さん(画像左上)に会えることをとても楽しみにしているのだとか。米澤さんに普段の来店時の様子を聞いてみました。
「日下部さんがご来店の際は私から壁紙をご提案するというよりは、楽しそうに店内をご覧になっているところにそっと付き添っているイメージです。デザインのワンポイントや裏話などお伝えするとつい盛り上がってしまい、よく2人でキャッキャとしています。すでに壁紙を貼っている部屋に新たな壁紙を取り入れるときには、壁紙のサンプルを実際に並べイメージを膨らませながら壁紙を決めることもあります」
多彩なデザインの壁紙が所狭しと並ぶ店内。「壁紙だらけの空間に居るだけで気持ちが上がる」という日下部さんにとってまさにパワースポットのような場所となっています。ほとんどの場合、新作は事前にオンラインストアでチェックしているので、新たな壁紙の発見というよりは気になっている壁紙を改めて愛でるために訪れているそうです。
「来店のたびに何度も同じサンプル帳を見るんですが、前に来た時はそんなに響かなかった壁紙でも、ある時やっぱりいいなと思い始めることがあるんです」
店内にある、壁紙でリメイクされた家具やインテリアも入念にチェックし、今後の夢を膨らませているといいます。
日下部さんが愛用する「壁紙ノート」なるものがあります。
「壁紙の必要量の計算や、この寸法にどう貼るかという計画を立てるのがすごく好きで、ノートに細かく書き込んで構想を練るんです。例えば木目のデザインなら、一幅目で木の継ぎ目がここにあるから他の幅では同じ位置にかぶらないようにしようとか、ここから見える位置にこの絵柄を置くにはどう貼ればいいだろうとか、割り付けを考えるのが本当に楽しくて。これも輸入壁紙の魅力の一つだと思います」
日下部さんには、昔から言葉で表現してきた夢があります。それはいつか自分の「箱」を作りたいというもの。学生時代は建築について学んでいましたが「箱」というのは建築物そのものではなく、空間や枠組みを意味しています。
「こうして自宅で壁紙を楽しみ、その様子をSNSなどで発信していますが、興味を持ってくれる人がいたとしても実際に遊びに来てもらえるわけではないんですよね。だから例えば、今思い描いているのは民泊やレンタルスペースのような『みんなで集える場所』を作ること。壁紙を貼ったりDIYをしたりフェイクグリーンを飾ったり、仲間と一緒にその空間をつくり上げて、興味のある人たちがいつでも気軽に遊びに来れるような場所をつくれたらいいなと思っています」
「好き」を貫き、周囲の輪をどんどん広げている日下部さんのパワーを見ていると、そう遠くない未来にその夢を叶えているのではという気がします。壁紙について話す表情は実に生き生きと、巻き込まれそうなほどの前向きなパワーにあふれたものでした。
今回ご紹介したのは、自宅の一角から夢を膨らませた女性の壁紙にまつわる物語。誰もが見つけられるわけではない、愛して止まないもの。人生を大きく変えてしまうような「きっかけ」は、案外私たちのすぐそばに転がっているのかもしれません。
Special Thanks to |
日下部 有香 くさかべ ゆか |
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