遊び心がありノスタルジック、かつ明らかに現代的。こう評される彼女の壁紙は、ロンドンの百貨店《LIBERTY》や《SELFRIDGES》といった一流店舗を装飾し、ビクトリア&アルバート博物館にも所蔵されています。イギリスを代表するデザイナー、ポール・スミスやローラ・アシュレイとのコラボレーションを成功させるなど、デザイナーとして国際的に高く評価されてきました。しかし2020年、本来軸とする画家のキャリアにフォーカスするため、新たなステージへと舵を切ったのです。
アーティストの家系に育ち、幼い頃からその道へ入ることを現実的に見据えていたルイス。大学で絵画を学び美術の学位を取得しますが、その後生活を支えるために足を踏み入れたのがデザインの世界でした。自身を取り巻く環境や触れる素材からインスピレーションを得て表現する彼女は、現在イギリスの南海岸沿いに家族と暮らし、海や自然と触れ合いながら絵画の制作に没頭しています。
絵画とデザインの違いや壁紙ビジネスから離れる決断、そして画家としてのこれから。探求し続ける芸術家、ルイス・ボディのバックグラウンドに迫ります。
ー ブランドについて三つの言葉で表現するなら?
創造性、個性、ノスタルジーです。
ー デザインするときに最も表現したいことは何ですか?
私のデザインや絵画は、言葉で表せない全てを表現したものです。作品を通じて、私を取り巻く世界を表現しているのです。
ー 創作する上でのインスパイアの源は何ですか?
アイデアや仕事、私を囲む環境や触れる素材が、私のインスピレーションの源になっています。例えば、タイルのデザインはイギリスのビクトリア朝のタイルからインスピレーションを得ています。私がひかれるのはイギリスの気候を反映したような落ち着いた色合いです。〈Garden Birds〉のデザインは庭にいる鳥たちからインスピレーションを得ました。
ー デザインにおいて一番好きな工程は?
自分のアイデアを形にし、それを誰かが壁に貼って毎日眺めたいと思うほど共感してくれる。これは本当に面白く、光栄なことだと思っています。
ー 譲れないこだわりなどあれば知りたいです。
正直であること、美しい作品を創ること、トレンドに乗るのではなく自分で築き上げてきた創造的な道を進むこと。
ー 新たな創作に行き詰まったときはどうしていますか?
郊外の田舎道や、今住んでいるサセックス(*)の海岸沿いを散歩しにいきます。歩いていると頭がリセットされますし、自然の中にはいつも新たなアイデアが隠れています。
ー イギリスで壁紙はどのような立ち位置にありますか?身近なものでしょうか?
自宅に壁紙を貼る文化はすごく浸透してきたと思います。壁一面だけにミューラルタイプの壁紙(*)を貼るというスタイルが特に流行っていますね。
ー イギリスで人気のあったデザインは?
〈Garden Birds〉と〈Paper Tiles〉のコレクションです。